突然に発症！怖い金属アレルギー

近年、金属アレルギーやその擬似的疾患が増加傾向にあり、花粉症やアトピーなど自己免疫に由来する様々な疾患との関連性も指摘されてきています。その増加原因としては、大気汚染や食品添加物、残留農薬などの環境汚染による影響が大きく、加えて装飾品や歯科用金属などがひきがねとなり発症させているのではないかと考えられています。人体のメカニズムを狂わせる症状から、発がん、老化などとも無縁ではないという見解もあり、またこの疾患の怖いところは、いったん感作されてしまうと、再びもとの体質に戻すことが非常に困難な場合があるということです。
患者が金属アレルギーに気が付くきっかけは、ピアスやネックレス等の使用によるかぶれや湿疹など皮膚症状が発端となることがほとんどで、最も多い患者層は４０代の女性となっています。長期間にわたっての金属装飾品の使用、金属粒子を含んだ化粧品の使用などで体が感作されてしまったのではないかという説が有力で、明確な症状が出ないことで金属の体内蓄積が進んで生活に支障をきたすようになるところまで深刻化する症例もあります。
発症率が高い金属は、アマルガム（水銀）や保険の銀歯に多く使われているニッケル・コバルト・クロムが代表的で、ピアスやネックレス、指輪、下着の金具、化粧品、腕時計、革靴、文具、調理器具、硬貨など私たちの身の回りでたくさんの物に含まれています。
治療法としては、まず原因となっている金属を除去し、次に歯の冠や詰め物を安全性の高いものに取り替え、その後、点滴療法によるデトックスで体内に残留した有害金属を解毒、排泄していくといった手順を取りますが、残念ながら完全に再発を防ぐまでの解毒は難しいというのが現状のようです。