鼻うがいの危険性

花粉症やアレルギー性鼻炎には“鼻うがい”が有効と言われています。普段から「実践している」という方も多いのではないでしょうか？

でも実は、誤った“鼻うがい”で花粉症が悪化させてしまうことがあるのです。 専門家の先生によると、それだけではなく、耳に水が入ると中耳炎になることもあるのだとか！

愛知医科大学客員教授・アレジオ銀座クリニック院長の呉 孟達先生の見解をお知らせします。

「ひどい花粉症になると、“鼻を取って丸洗いしたいほど”という訴えをよく聞きますが、そのような不快感からか鼻腔を洗浄する、鼻うがいを行っている患者さんも多いとのこと。

しかし、鼻うがいは花粉などの異物を直接洗い流す効果はありますが、誤った方法で行うと、花粉症を逆に悪化させてしまう恐れがあります。

プールなどで鼻から水が入ると痛みを感じますが、鼻に入る水の温度や濃度が適していないと鼻粘膜は大きく傷つきます」


■正しい鼻うがいの方法は？

「鼻炎症状が出ている場合、何よりも鼻粘膜の状態を健康に保つことが重要です。

そこで、もし鼻うがいを行うのであれば、“浸透圧の影響を受けない生理食塩水”を使用し、28～33℃まで温めてから鼻に入れましょう。また、水が耳に入らないように注意も必要です。鼻うがいの最中に水を飲み込んだり、水を十分に吐き出す前に鼻をかむと、鼻と耳をつなぐ“耳管”に水が入り中耳炎などを発症する恐れがあります。

鼻から入れて鼻から出すだけでも鼻うがいは十分効果的ですが、鼻粘膜への影響を考慮すると、家庭での鼻腔洗浄にはスチーム吸入器の利用もオススメ。

スチーム吸入器は、細かな蒸気を噴出させ、鼻やノドの粘膜を加湿することで不快感を軽減させる器具です。

スチーム吸入器で噴出される蒸気は約40度に加温されていて、10マイクロメートル（0.01mm）程度の細かい霧状のため、浸透圧などの鼻粘膜への悪影響はほとんどありません」


「花粉症対策を行っているのに、一向に改善しない」という方は、もう一度対策を見直してみましょう。