活性酸素の功罪と抗酸化物質

何かにつけよく聞く「活性酸素」と「抗酸化物質」。
紫外線を浴びても活性酸素、たばこを吸っても活性酸素、運動しても活性酸素。
結局それはなんなのでしょう。。


■活性酸素とは
酸素が不安定で多くの物質と反応しやすく変化したもの、
それが活性酸素です。(図1)

呼吸でも体内に発生し、他、タバコや紫外線でも多く発生します。
ほ乳類では、摂取した酸素の数％が活性酸素に変化すると考えられています。

　・呼吸
　・紫外線や放射線
　・大気汚染、タバコ、薬剤、金属、
　・酸化された食べものの摂取
　・過度の運動

活性酸素は、体の中の飽和脂肪酸と手を結び『過酸化脂質』という 悪玉物質を作ったりもします。
老化、がん、動脈硬化、そのほか多くの疾患をもたらすことは有名です。
活性酸素により、細胞が損傷するのです。

細胞は損傷したDNAを、修復しきれず遺伝子が誤った遺伝情報をもつことがあり（突然変異）それががんの原因になると考えられています。

元は体内で発生されたものですので
通常は、発生した活性酸素は速やかに消去されます。
しかも単純に消去されるわけではなく、

　・感染防御
　・抹消血管の血流確保
　・排卵、受精、細胞の分化

などに体は役立てています。



■抗酸化物質(スカベンジャー※1)

細胞の修復を助けるのが抗酸化物質です。


体内でつくられるSOD、カタラーゼ、グルタチオンペルオキシダーゼといった酵素の他、
また体外から取り入れるビタミンC、E、ポリフェノールなどが有名です。

これら酵素とビタミンは、活性酸素を除去したり、フリーラジカル(※2)を消失させる働きがあります。


※1活性酸素やフリーラジカルのように電子が不足した分子に電子を与える役目を持ったモノがスカベンジャーです。
※2不対電子をもっているために、他の分子から電子を奪い取る力が高まっている原子や分子のことで、活性酸素もフリーラジカルの仲間といえます。



活性酸素の種類により、効果的な抗酸化物質スカベンジャーがかわってきます。(図2)