大腸がんからの転移予測　実用化へ

日本では、女性のがんの死亡率の1位を占めている「大腸がん」。
肉食（ハムやベーコンなどの加工肉も含む）が中心の食生活や
肥満、喫煙によりリスクが高まるとされています。

定期的に健康診断を受け、早期発見ができれば完全治癒する可能性もありますが、
「がん」は自覚症状がなくても、知らず他の臓器に転移し進行してしまいます。

先日、京都大学などのグループが、
転移を起こす大腸がんの細胞をマウスを使って研究したところ、
「Ｔｒｉｏ（トリオ）」というたんぱく質の特定の部位に化学変化が起きて、
がん細胞の運動を促す分子を活性化させることがわかりました。
京大病院で、中程度の大腸がん患者115人のがん細胞を調べたところ、
70人でこの化学変化が見られ、
そのうち2割が診断から5年以内に転移で亡くなっていました。
一方、化学変化が見られなかった45人はこの5年間、全員が生存していました。

大腸がんの転移を予測する診断法はまだ確立されておらず、厄介な病気です。
この研究結果をうけて、大腸がんからの転移の起きやすさを今回発見された「悪化の目印」で予測して、
日本でよりよいがん治療ができるよう、発展していって欲しいと思います。