肝移植に関しての予備知識

＜肝移植の種類＞
肝移植には、脳死と判定された患者から摘出した健康な肝臓を、末期の肝不全患者に移植する脳死肝移植と健康な人の肝臓の一部を切り取り、末期の肝不全患者に移植する生体肝移植があります。
日本では、脳死が死とされるまで時間がかかったため、生体肝移植が主流となっています。

＜生体肝移植のドナーに関して＞
健康な人の場合、肝臓の65パーセントを切除しても、約1年後にはほぼ同等の大きさまで再生するとされています。
このため、ドナー側は移植後、２、３ヶ月で復職可能で、約1年後には以前と同じ生活が可能です。
しかし、ドナーが絶対安全とは限らず、世界で8件、日本では1件のドナーの死亡例が報告されています。

＜ドナーの適正＞
肝移植にはドナー(提供者)が必要です。
生体肝移植では主に家族・親族がドナーになることが多いのですが、実は、患者とドナーは血縁関係が近いほど移植後の拒絶反応が強くでる傾向があるようです。
このため、第三者による提供が一番望ましいです。

＜移植後の患者＞
手術が成功し、拒絶反応も収まった後でも油断はできません。
肝移植後数年後にまた肝臓機能が弱まって、移植が必要になることが多々あるようです。