カレーの再加熱による食中毒

『ウェルシュ菌』の名前を聞いたことがない人もいるかもしれませんが、健康な人の便からも検出される菌です。
この菌は肉類、魚介類、野菜などに付着しており、食物とともに私たちの体内に取り込まれます。


通常の菌であれば加熱処理により死滅しますが、この細菌は熱に強い芽胞を作るため、高温でも死滅せず、生き残ります。

食品の中心部は酸素の無い状態になり、嫌気性菌のウェルシュ菌にとって好ましい状態となるため、食品の温度が発育に適した温度まで下がると発芽して急速に増殖を始めます。
ウェルシュ菌大量摂取すると小腸内で増殖して、菌が芽胞型に移行する際にエンテロトキシン（毒素）が産生され、その毒素の作用で下痢などの症状が起きます。

■症状
潜伏時間：約６～１８時間
症状　　：腹痛、下痢、特に下腹部がはる


給食など大きな器のまま室温で放冷されていた食品に多くおこる食中毒で、家庭での発生は他に比べて少ないことが特徴的です。
しかし、カレーなどを数日間にわけて加熱しながら食べるなどしていると、ウェルシュ菌が日に日に増殖し、家庭内でもウェルシュ菌による食中毒が発生する可能性が高くなります。


■予防のポイント
1.前日調理は避け、加熱調理したものはなるべく早く食べること。

2.一度に大量の食品を加熱調理したときは、本菌の発育しやすい温度を長く保たないように注意すること。

3.やむをえず保管するときは、小分けしてから急激に冷却すること。