身近な危険生物：新世代クマ編

北海道でクマの目撃が多くなっています。1990年に春熊駆除が廃止され、ヒグマを取り巻く環境が保護へと転換されてから20年以上が経過した2000年代、人に対する恐怖経験が全くない世代のヒグマが現れるようになりました。
アウトドアブームによって、自然や、野生動物を愛好する人、登山者が増えました。彼らが出す残パンに誘因されたクマが人との遭遇により、事故をおこす可能性があります。
これらは「新世代クマ」などと呼ばれ始めているようですが、クマたちとって、人間は危険のシンボルではなく、餌が近いことを気づかせる存在になってしまったようです。
このような原因でクマが有害駆除される事態は避けなければならなりません。新世代クマとみられるヒグマが住宅地や観光地に出没する事例も季節を問わず発生しています。こうした状況になると、警察によるパトロールや周辺学校での集団下校、遊歩道や公園の閉鎖が行われたり、住民が外出を控えるようになったりと物々しい騒然とした事態となります。
ツキノワグマではテントが襲われた例はこれまでにないようですが、北海道ではヒグマがテント内の食料を奪い、人身被害に発展した例がありました。人家周囲に無造作に残パンなどをすてないこと。山野を残パン捨て場にしないこと。家庭から出る生ごみのゴミボックスは管理をしっかりすること。実際にゴミボックを見ると、餌の存在を確信して破壊行為に移ることが観察されています。アウトドアシーズンですがマナーは守りましょう。実害として還ってきます。

おまけ
動物は基本的には自分より大きい生物を恐れます。多くの生物が天敵から逃れるため、捕食者を威嚇する為に、瞬間的に体を大きく見せることがあります。膨れる、目立つ色に変わる、煙幕をはるなどです。捕食者はターゲットのサイズが突然変化することでパニックになり、戦意を喪失します。人間にはこれらの芸当は無理ですが、身近なもので同様の現象を起こせます。ビニール傘です。これを動物の目の前で、急に広げると、同じ様な効果を得られる可能性があります。
バラエティ番組での実験でしたので、信憑性は定かではありませんが、向かってきた熊や、猪を追い払うことができていました。